松原メイフラワー病院

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2019年9月6日:フレイルについて

秋の気配が徐々に感じられる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は時々耳にすることがあるフレイルについてご紹介させていただきます。201909フレイル1

 

【フレイルとは】

2014年、日本老年医学会が高齢者が筋力や活動が低下している状態(虚弱)をフレイル(Frailty)と呼ぶと提唱した。

つまり、加齢により心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態であると言えます。 また、健康な状態と要介護状態の中間または移行する段階の状態を表す言葉とも言えます。

 

【フレイルの原因】

フレイルとはでお伝えしたように、加齢により様々な衰えが原因となっています。筋力や運動機能の低下、認知機能の低下、意欲や判断力の低下などが挙げられます。

また、呼吸器機能の低下や心肺機能の低下による活動の制限、関節痛や貧血などの慢性的に管理が必要な疾患もフレイルの原因となります。

さらに、筋力が低下すると基礎代謝量が低下し、エネルギー消費量が減少します。それにより食欲が失われ、それに伴い体重の減少、低栄養となります。

フレイルはそれぞれの体の状態が一つ一つ互いに影響し合い悪循環に陥るサイクルを形成します。

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【フレイルになると どうなるか】

フレイル状態になると死亡率の上昇と身体機能の低下。さらに免疫力が低下し、病気にかかりやすくなり入退院を繰り返すことなります。

また、フレイル状態となり活動量が減少している中で、大きな病気や骨折などが起こると、心身状態の改善・回復を目指す機会が失われそのまま寝たきりになるという状況も考えられます。

 

【フレイルの評価基準】

以下の5つのチェックリストのうち3つ以上当てはまるとフレイルと判断されます。

 

1.体重減少:特に理由がないのに1年で体重が4.5㎏以上減った。

2.歩行速度の低下:歩行速度が10秒間で10m未満。

3.筋力・握力の低下:握力が男性 26㎏未満、女性 18㎏未満。

4.疲れやすい:週に3~4回程度、何もかもが面倒になり疲れたように感じる。

5.活動量が低下:軽い運動や体操、定期的なスポーツなどを行っていない。

 

 

指輪っかテスト

筋肉量を測定する方法です。

1.両手の親指と人差し指で輪を作ります。

2.ふくらはぎの一番太い部分を力を入れずに軽く囲んでみましょう。

 

結果

指で囲んですき間ができるようであれば筋肉量が減少している事が考えられます。

指で囲めないようであれば筋肉量は十分であると言えます。

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【フレイルの予防】

1.適度な運動

加齢による筋力の低下は必ず起こります。

筋力の低下は基礎代謝の低下につながります。また、活動範囲が狭くなり家に閉じこもりがちになりますます日常生活内における運動量が低下し筋力低下が起こります。

筋力は人により個人差がありますので自分の体力に見合った運動量から始め、徐々に増やすように行いましょう。

まずはウォーキングを1日10分~15分程度から始めてみましょう。

 

2.バランスの良い食事

フレイルの大きな原因として低栄養が挙げられます。

特に高齢になるとたんぱく質の摂取量の低下があります。タンパク質は筋肉を作るのに欠かすことのできない栄養素です。高齢になると食後に作られるたんぱく質の量が低下します。そのため、成人よりも多くの量を摂取する必要があります。

具体的には体重1㎏当たり1gのたんぱく質を摂りましょう。卵1個、薄切り肉2~3枚、豆腐半丁などのいずれかを毎日食べるようにしましょう。

 

3.感染症の予防

高齢になると免疫力の低下が起こります。

免疫力の低下により普通ならば問題ないような菌やウイルスに対しても感染する可能性があります。また、感染した場合に重症化しやすくなります。それにより入院となり寝たきりとなる場合もあります。

まずは感染症にかからないようにするために普段からの手洗いやうがいは重要になります。

また、フレイルでは食事を飲み込む力も弱ります。それにより誤嚥することが多くなり誤嚥性肺炎の危険性も高まります。

誤嚥性肺炎を起こさないために、普段からの歯磨きなどの口腔ケアも重要です。

 

4.社会とのつながりをもつ

高齢になると意欲の低下や社会とのつながりが薄くなる傾向にあります。

また、筋力の低下などにより活動範囲が狭くなり家に閉じこもりがちになります。

家に閉じこもりがちになると人と接する機会が減り、時にはうつ傾向になる事もあります。

趣味を持つことやボランティアへの参加、公民館活動への参加することにより可能な範囲で無理なく人と接する機会を作るよう心がけましょう。

 

【サルコペニアとの違い】

サルコペニアとは加齢性筋肉減少症です。

主に筋肉量の減少を主とした筋力、身体機能の低下が起こる状態の事を言います。

主に身体面に注目しているのに対し、フレイルは運動処理能力や認知機能、日常生活での活動性や社会的環境なども影響しています。

 

フレイルは介護が必要となる前段階の状態であると言えます。

適度な運動などを行い楽しく充実した生活を送っていれば介護が必要となる事を避け、フレイルになることも予防できると考えます。

これからの季節、朝夕冷えてまいります。

お体にはくれぐれもお気をつけ下さい。

実りの秋はもうすぐです。

充実した生活を送りましょう。

参考文献、関連サイト:日本老年医学会、フレイル予防ハンドブック、みんなの介護、いろはにかいご、サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A

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