松原メイフラワー病院

最近の記事

2020年2月25日:姿勢について

春の訪れが待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、人が姿勢を保持するとき、安定性に影響を及ぼしている様々な要因のいくつかを紹介したいと思います。

  • 重心の高さ  重心の位置が低いほど安定性はよい。立位よりも座位のほうが重心の位置が低いために安定性はよい。立位でも上肢を拳上すると重心の位置が高くなるために安定性は悪くなる。
  • 支持基底面の広さ  支持基底面とは、2足で起立したときには、両足底面とそのあいだの部分を合計した面積をいう。支持基底面が広いほど安定性はよい。両足を密着させた立位よりも、両足を離した立位のほうが安定性はよい。四つ這い位や松葉杖を使用したときには、支持基底面は広くなり、安定性は増す。
  • 支持基底面と重心線の関係  支持基底面内の重心線の位置が中心に近いほど安定氏はよい。重心線の位置が辺縁に近いと、わずかの外力の影響で重心線が支持基底面から逸脱して転倒する。両足立位から片足立位になると、支持基底面の減少と同時に重心線の位置が相対的に辺縁に偏在するために不安定な状態になる。

 

日常の中で、上記のことを参考にして安定した姿勢を意識してみてくださいね。pt001c

2019年12月3日:関節の保護について

師走に入り、慌ただしくなってきましたが、皆様元気でお過ごしでしょうか。

 

関節リウマチでは、体のあちこちの関節に変形が起こる可能性があります。

関節の変形は一度起こると元には戻らないため、変形が起こらないようにすることが大切です。

そのために、関節保護という考え方があります。

関節保護を実践することによって、痛みを和らげたり、変形の発生を遅らせたり、身体機能が維持できるようになります。

よく、関節に大きな負担をかけないように、といわれます。

では実際にどのようにすれば良いのでしょうか。

今回は、具体例をいくつか紹介したいと思います。

 

≪姿勢・肢位≫

・高い枕の使用や、膝下に枕を入れたままでの就寝は注意が必要。

・作業をするための台の高さが低すぎると前かがみの姿勢になり、注意が必要。

≪起居・移動≫

・起き上がる時は足を振り下ろす反動で起きるのは避け、ギャッジベッドを使用する。

・椅子から立ち上がる際、手指で支えるのではなく、前腕全体で支える。

・車椅子は、なるべく両足で動かす。

≪食事≫

・マグカップや湯のみ茶碗は下から支えるように、両手で持つと手指への負担が少ない。

≪更衣≫

・ボタンエイドや市販のシーソー型のボタンを使用する。

≪整容≫

・長柄のブラシや、軽量の電動歯ブラシを使用すると手指への負担が少ない。

≪入浴≫

・タオル絞りは、水道栓に引っ掛けて両手でねじると手指への負担が少ない。

・洗体はループ付きタオルを使用すると手指への負担が少ない。

≪家事≫

・片手鍋は手指の負担が大きいため、両手鍋を使用する。

・やかんを持つ、瓶の栓を抜く場合は、逆手で持つことで肘を利用する。

・ペットボトルの蓋やプルトップを開ける時は、市販のオープナーを使用する。

・材料のカットは、電子レンジで柔らかくしたり、フードプロセッサーを利用する。

・食器洗いは、食洗機を利用する。

・雑巾は左右ではなく前後に動かす。

DSC_1881

コップの持ち方

DSC_1880

ヤカンの持ち方

DSC_1883

市販のオープナー

DSC_1882

タオル絞り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切なのは、「工夫すれば、意外とできる!」と実感することです。痛みがあるときに無理をするのは避けなければなりませんが、

「リウマチのせいでできなくなった」と思うよりも、「病気があっても工夫次第でできる」と考えるほうが、前向きな気持ちで全体の治療にも取り組めるでしょう。

 

寒い日が続きますが、お体にお気を付けてお過ごしください。

 

 

 

2019年9月6日:フレイルについて

秋の気配が徐々に感じられる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は時々耳にすることがあるフレイルについてご紹介させていただきます。201909フレイル1

 

【フレイルとは】

2014年、日本老年医学会が高齢者が筋力や活動が低下している状態(虚弱)をフレイル(Frailty)と呼ぶと提唱した。

つまり、加齢により心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態であると言えます。 また、健康な状態と要介護状態の中間または移行する段階の状態を表す言葉とも言えます。

 

【フレイルの原因】

フレイルとはでお伝えしたように、加齢により様々な衰えが原因となっています。筋力や運動機能の低下、認知機能の低下、意欲や判断力の低下などが挙げられます。

また、呼吸器機能の低下や心肺機能の低下による活動の制限、関節痛や貧血などの慢性的に管理が必要な疾患もフレイルの原因となります。

さらに、筋力が低下すると基礎代謝量が低下し、エネルギー消費量が減少します。それにより食欲が失われ、それに伴い体重の減少、低栄養となります。

フレイルはそれぞれの体の状態が一つ一つ互いに影響し合い悪循環に陥るサイクルを形成します。

201909フレイル5

 

【フレイルになると どうなるか】

フレイル状態になると死亡率の上昇と身体機能の低下。さらに免疫力が低下し、病気にかかりやすくなり入退院を繰り返すことなります。

また、フレイル状態となり活動量が減少している中で、大きな病気や骨折などが起こると、心身状態の改善・回復を目指す機会が失われそのまま寝たきりになるという状況も考えられます。

 

【フレイルの評価基準】

以下の5つのチェックリストのうち3つ以上当てはまるとフレイルと判断されます。

 

1.体重減少:特に理由がないのに1年で体重が4.5㎏以上減った。

2.歩行速度の低下:歩行速度が10秒間で10m未満。

3.筋力・握力の低下:握力が男性 26㎏未満、女性 18㎏未満。

4.疲れやすい:週に3~4回程度、何もかもが面倒になり疲れたように感じる。

5.活動量が低下:軽い運動や体操、定期的なスポーツなどを行っていない。

 

 

指輪っかテスト

筋肉量を測定する方法です。

1.両手の親指と人差し指で輪を作ります。

2.ふくらはぎの一番太い部分を力を入れずに軽く囲んでみましょう。

 

結果

指で囲んですき間ができるようであれば筋肉量が減少している事が考えられます。

指で囲めないようであれば筋肉量は十分であると言えます。

201909フレイル3

【フレイルの予防】

1.適度な運動

加齢による筋力の低下は必ず起こります。

筋力の低下は基礎代謝の低下につながります。また、活動範囲が狭くなり家に閉じこもりがちになりますます日常生活内における運動量が低下し筋力低下が起こります。

筋力は人により個人差がありますので自分の体力に見合った運動量から始め、徐々に増やすように行いましょう。

まずはウォーキングを1日10分~15分程度から始めてみましょう。

 

2.バランスの良い食事

フレイルの大きな原因として低栄養が挙げられます。

特に高齢になるとたんぱく質の摂取量の低下があります。タンパク質は筋肉を作るのに欠かすことのできない栄養素です。高齢になると食後に作られるたんぱく質の量が低下します。そのため、成人よりも多くの量を摂取する必要があります。

具体的には体重1㎏当たり1gのたんぱく質を摂りましょう。卵1個、薄切り肉2~3枚、豆腐半丁などのいずれかを毎日食べるようにしましょう。

 

3.感染症の予防

高齢になると免疫力の低下が起こります。

免疫力の低下により普通ならば問題ないような菌やウイルスに対しても感染する可能性があります。また、感染した場合に重症化しやすくなります。それにより入院となり寝たきりとなる場合もあります。

まずは感染症にかからないようにするために普段からの手洗いやうがいは重要になります。

また、フレイルでは食事を飲み込む力も弱ります。それにより誤嚥することが多くなり誤嚥性肺炎の危険性も高まります。

誤嚥性肺炎を起こさないために、普段からの歯磨きなどの口腔ケアも重要です。

 

4.社会とのつながりをもつ

高齢になると意欲の低下や社会とのつながりが薄くなる傾向にあります。

また、筋力の低下などにより活動範囲が狭くなり家に閉じこもりがちになります。

家に閉じこもりがちになると人と接する機会が減り、時にはうつ傾向になる事もあります。

趣味を持つことやボランティアへの参加、公民館活動への参加することにより可能な範囲で無理なく人と接する機会を作るよう心がけましょう。

 

【サルコペニアとの違い】

サルコペニアとは加齢性筋肉減少症です。

主に筋肉量の減少を主とした筋力、身体機能の低下が起こる状態の事を言います。

主に身体面に注目しているのに対し、フレイルは運動処理能力や認知機能、日常生活での活動性や社会的環境なども影響しています。

 

フレイルは介護が必要となる前段階の状態であると言えます。

適度な運動などを行い楽しく充実した生活を送っていれば介護が必要となる事を避け、フレイルになることも予防できると考えます。

これからの季節、朝夕冷えてまいります。

お体にはくれぐれもお気をつけ下さい。

実りの秋はもうすぐです。

充実した生活を送りましょう。

参考文献、関連サイト:日本老年医学会、フレイル予防ハンドブック、みんなの介護、いろはにかいご、サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A

201909フレイル4

2019年5月31日:リングスプリントのご紹介

青葉若葉の候、いかがお過ごしでしょうか?

今回は作業療法士が作製する装具(スプリント)の中から『リングスプリント』をご紹介します。

‘スプリント’とは、作業療法士が患者様お一人お一人の症状に合わせて作製するもので、関節リウマチ患者様におけるスプリント療法は①安静を保ち②関節を保護しながら③変形の進行を防ぎ、日常生活をしやすくすることを目的としています。201905

『リングスプリント』は手指にボタンホール変形やスワンネック変形、Z型変形のみられる患者様を対象としており、装着することで動作時の痛みの軽減や変形によるつまみ・握り動作の改善が期待できます。

また、作業療法士の作製するスプリントは熱可塑性プラスチックを用いることが多いため、腫脹の変化やスプリントが合わない場合の調整が容易なことが利点として挙げられます。

201905a

出典:メジカルビュー社『リハ実践テクニック 関節リウマチ』
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年4月1日:4月に入りました

4月に入りました。まだ、肌寒い日もありますのでどうぞ体調を崩さないように気を付けてください。

新年度となり、当院も新しいドクターを迎え新たな体制となります。詳しくは当院HPをご覧ください。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。201904院長イラスト

 

2019年2月1日:姿勢の違いが腰に与える負担について

立位姿勢よりも座位姿勢の方が、楽に感じるという人が多いと思いますが、正しい姿勢で立ったときの腰椎への負担を1とした場合、座ったときは1.4倍以上、デスクワーク等で前屈みになる場合は1.8倍以上もの負担が腰にかかっています。

また、座り作業が続く場合、腰まわりの筋肉が硬くなり、血の巡りが悪くなることで虚血性の痛みが生じやすくなります。長時間同じ姿勢でいることで骨盤は徐々に後傾し、椎間板や椎間関節に過度の圧力がかかることで腰痛を生じやすくさせます。

長期間の悪い姿勢は腰のアーチが変形を誘発させ、体にかかる衝撃が吸収されにくく、周りの筋肉や軟骨、骨に負担がかかってしまうことになります。長時間の同じ姿勢はなるべく避け、体を動かして出来るだけ筋肉の疲労をとってあげるように心がけましょう。

201902リハブログ          図:腰への負担を数値化した場合(立った姿勢を100とした場合)

 

 

 

 

 

 

2019年2月1日:2月にはいりました

今シーズンのインフルエンザの流行は、兵庫県で警報レベル(定点あたり患者数30 人以上)が継続しています。

201902flu

 

 

 

兵庫県感染症情報センターサイトより

 

 

みなさん、次のことに留意いただき体調管理のほどよろしくお願いします。

インフルエンザの予防方法

  • 流行する前にインフルエンザワクチンの予防接種を受けましょう。
  • 咳エチケットを心がけましょう。
  • 帰宅したら手洗いを励行しましょう。
  • 適度な湿度(50~60%)を保持しましょう。
  • 十分な睡眠とバランスのよい栄養を摂ることを心がけましょう。
  • 外出時は、マスクを着用し、人混みはなるべく避けましょう。201902院長イラスト

2019年1月4日:新年あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。本日より外来診療を始めております。

今年も職員一同、リウマチ患者さま、地域の皆様のお役に立てるよう日々の診療に精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(院長 松原)201901院長イラスト

 

2018年12月20日:松葉杖での階段昇降について

(右足に体重を乗せてはいけない場合)

 

昇るときは、両手でしっかりと松葉杖が動かないように固定して、先に左足を段に上げます。それから、左足で支えて松葉杖を上げます。

降りる時は、左足で支えて、松葉杖を先に段に下ろします。それから、両手でしっかりと松葉杖が動かないように固定して、左足を下ろします。

昇る時も、降りる時も、必ず右足を着かないように浮かせています。また、階段に引っかからないようにしないといけません。階段昇降は、歩行より転倒の危険性が大きいので、十分に注意しなければいけません。

(医師から、松葉杖を使うように言われた場合、医師や、リハビリテーション科で理学療法士による指導があると思います。)

P1090160P1090159

2018年12月6日:12月に入りました

12月に入りました。季節外れの暖かい日が数日続きましたが、週末にかけてこの時期らしい寒さになりそうです。どうぞ寒さ対策をされて体調管理のほどよろしくお願いします。

さて、この度アバタセプトに関する論文がRMD openに掲載されました。

Abatacept in combination with methotrexate in Japanese biologic-naive patients with active rheumatoid arthritis: a randomised placebocontrolled phase IV study

Tsukasa Matsubara,Hiroshi Inoue,Toshihiro Nakajima,Kazuhide Tanimura,Akira Sagawa,Yukio Sato,Kei Osano,Shuji Nagano,Yukitaka Ueki,Tadamasa Hanyu,Koichi Hashizume,Norihito Amano,Yoshiya Tanaka and Tsutomu Takeuchi    https://rmdopen.bmj.com/content/4/2/e000813     (院長 松原)

次の10件 >